日本の古墳の形は大きく分けて前方後円墳、前方後方墳、円墳、方墳の4つに分類されます。
高いランクに位置付けられていたのが前方後円墳で王やその一族、大和政権と密接な関係の地方の有力首長が埋葬されていると言われています。
古墳の形にはその他にも帆立貝型古墳、双円墳、双方墳、双方中円墳、双方中方墳、上円下方墳、八角墳、六角墳、上八角下方墳、横穴墳、地下式横穴墳といった様々な形のものがあり埋葬される人の地位や財力、大和政権との関係により形が異なっています。
このページではこのような古墳の形の意味や種類についてご覧いただけます。
古墳の形の意味
古墳の形は有名な前方後円墳の他にも沢山の種類があります。
葬られた人の立場、階層、時期的な流行、地方色などを強く反映していたと思われます。
古墳の型は大きく分けて以下の4つに分類されます。
- 前方後円墳
- 前方後方墳
- 円墳
- 方墳
古墳時代は大和政権により墓制(埋葬の風俗・風習)が敷かれていてこの中で最も高いランクに位置付けられていたのが前方後円墳です。
前方後円墳は3世紀中ごろに成立した形で大王やその一族、大和政権と密接な関係の地方の有力首長が埋葬されています。
前方後方墳は3~4世紀に流行した形でルーツは東海地方西部と言われています。
5世紀になると概ね姿を消して代わりに帆立型古墳が造られるようになっていきます。
前方後円墳に関しては出雲地方などで一部継続して造られていました。
円墳と方墳に関しては前方後円墳の下位に位置付けられる古墳で、小型のものは首長に直属する人の墓と見られるものもあり群集墳に多く見られます。
古墳の形の種類
では具体的な種類を見ていきましょう!
前方後円墳
古墳界の王様ですね。
なかでもその大きさから大阪府大山古墳(仁徳陵古墳)が有名です。
前方後円墳は3世紀ごろから造られ始めて5世紀には岩手県から鹿児島県までに広まっていきます。
そして前方後円墳は7世紀初め頃には造られなくなります。
大きさは墳丘長は10mのものから数百mのものまであります。
大阪府大山古墳(仁徳陵古墳)の大きさは墳丘長は486mもあって面積ではエジプトのクフ王のピラミッドよりも大きいのです。
円墳
前方後円墳の下位に位置づく最も一般的な古墳です。
古墳時代中期(5世紀)から発達する群集墳でも主体となっています。
小型の古墳が多いものの、埼玉県丸墓山古墳のように直径100mにおよぶものもあります。
直径50mをこえっるような大型の円墳は、墳丘長70mくらいの中型前方後円墳の土量をしのいでおり、被葬者は十分な経済力や動員力を持っていたはずです。
実力はありながらヤマト王権との関係が薄いため、前方後円墳を築けなかった(築かなかった)首長の墓でしょう。
なお、同時期に前方後円墳に隣接して造られた円墳は、その地域では前方後円墳被葬者につぐ第二ランクの有力者と見られます。
方墳
上から見ると長方形にみえる古墳です。
なんと世界三大陵墓のひとつ中国にある秦の始皇帝陵もこのタイプだとか。
数的に見ても円墳に続き2番目に多いようです。
弥生時代の出雲王朝で築かれた四隅突出型墳丘墓がこの形の元と言われています。
代表的な古墳は千葉県の岩屋古墳です。
前方後方墳
前方後方墳は古墳前期(3~4世紀)に広く造られた古墳です。
またヤマト政権に2次的に参画した勢力が採用した墳形とも言われています。
※前方後方墳を邪馬台国と対立していた狗奴国の墓制とする説もあります。
形的には前方後円墳の円の部分が四角になった形で、形のルーツは東海地方西部の弥生時代の墳丘にあると言われています。
代表的な古墳は栃木県の 下侍村古墳が有名です。
帆立貝型古墳
帆立貝型古墳は前方後円墳の四角の部分が短く、形がまるでホタテの様なのでこの名前が付いています。
一説には前方後円墳を作る許可を政権からもらえなかった首長の墓とも言われています。
代表的な古墳としては東京の野毛大塚古墳などがあります。
双円墳
双円墳は日本でただ一つしかない珍しい古墳です。
形は大きい円と小さい円がくっついたような形ですね。
まあ、ひょうたんみたいな形とも言えますね。
代表的な古墳は大阪の金山古墳です。
なにせ双円墳はここしかないですからね。
双方墳
双方墳は四角が2つくっついている形ですね。
まあ、良いですけど長方墳とかでも良かった気もしますけどね。
代表的な古墳は大阪の二子塚古墳です。
双方中円墳
双方中円墳は真ん中の円の両側に四角をくっつけたですね。
数的には全国的にも希少と言えるレベルです。
代表的な古墳は兵庫の盾築弥生墳丘墓です。
双方中方墳
双方中方墳は真ん中の四角の両側に四角をくっつけたですね。
結構角張ったコンですよね。
代表的な古墳は三重の明合古墳群です。
上円下方墳
上円下方墳は下が四角で上が円という立体構造になっています。
横から見ると構造が判り易いと思いますよ。
数的には全国で6基のという希少なレベルです。
代表的な古墳は東京の石の熊野神社古墳です。
八角墳
八角墳は古墳時代の末期から飛鳥時代にかけてつくられた古墳です。
形は名前の通り八角形ですね。
かなり高貴な方が眠っているのではと評判です。
代表的な古墳は奈良県の牽牛塚古墳です。
六角墳
六角墳の形は名前の通り八角形ですね。
こちらは全国に2基しかない希少な形の古墳です。
八角墳同様かなり高貴な方が眠っているのではとうわさです。
代表的な古墳は奈良県のマルコ山古墳です。
上八角下方墳
上八角下方墳は上に八角形、下に四角の2段構成のですね。
ここまでデザインに凝るとは。。。
八角墳同様かなり高貴な方が眠っているのではとうわさです。
代表的な古墳は奈良県の舒明天皇(じょめいてんのう)古墳です。
横穴墳、地下式横穴墳
横穴墳、地下式横穴墳は古墳時代末期に造られたコンパクトな古墳です。
横穴式でまるでアパートのような形ですね。
代表的な古墳は熊本県の鍋田横穴群です。